お試しカノジョ
「か、楓くん……」
話し終えた楓くんにわたしは尊敬の念を送る。
「すごい…」
「えへへー、伊達に頭良いわけじゃないよぉ?」
こう見えて楓くんは学年5位という頭脳を持っている。
ギャップ萌え!
「じゃ、それでいこう」
「やったぁ!」
「でもその告白する男の子ってどうするの?誰がやるの?」
「そこは俺がどうにかする。適任がいるから」
スマホを取り出して文字を打つ伊藤くん。
「録音も冬樹がやってよぉ?」
「任せて」
「わ、わたしは?」
わたしもなにかやらないと。
「僕と歩美ちゃんはなにもしないよぉ」
「え……?」
「だってこれは冬樹の問題でしょ?僕たちが直接関わる必要はないよ」
頬を撫でられ、わたしは大人しくする。
「僕たちは遠くで見守っとこうねぇ!
見物しに行くもん!」
ちゅっ、と頰にキスをされてわたしは「うん」と言いながら俯いた。
歩美SIDE終わり