お試しカノジョ
「ま、待って!私も…」
「はいストーップ」
「なによヘラ男!!退いて!」
「……カレシになったのに前と扱い変わってないよね、ほんと」
折原が立ち上がって、歩美の手をとった。
そして歩き出したので、私も付いて行こうと一歩足を動かしたのだけど。
「あの2人に割り込むなんて、野暮なことはやめようか」
野暮なこと……。
歩美は折原と一緒に歩いて、とても幸せそうな顔してる。
その間に私が割り込むと、歩美はその顔を歪めるのだろうか。
「あんなにラブラブなんだからさ、空気読もうか」
「…あんた結構グサグサ言うわね」
「前にも言わなかったっけ?俺ちょっとだけSっ気あるんだよね」