お試しカノジョ



…………やってしまった。


なに!?ふうきってなに!?




「な、夏子ちゃん…」

「わっ、笑わないでよ!」

「だ、だって……ふっ…」

「もう!こっちだって精一杯なんだからねっ!?」




もう二度と呼ばないわ!

絶対に呼ばないから!!




「ははっ、ごめんごめん。今度はちゃんと呼んでよ」

「また呼ぶの!?」

「当たり前でしょ?ちゃんと呼んでくれるまでやるよ」




なに言ってんの?


という目で見てくる。





「…はぁ」





もうやらかしたから、今更緊張するもなにもないわ。




「……冬樹」

「ん、よくできました」




髪の毛をくしゃっとされた。


…意外と手、大きいんだな。




「はい」

「……なによ」




名前を呼んだ後、それはそれは最高の笑顔を浮かべながら手を出してきた。


なにをしろと?




「今度は手を繋ごうか」

「は!?」

「ほら、早く」

「や、やだ!」

「……キスより恥ずかしいわけ?」

「そういう問題じゃないでしょ!キスキス言うな!」




次は手を繋ごうか、ってなに!


手を繋いだ後は、キスしようか?ってなるんでしょ!


展開早すぎなのよ!



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