お試しカノジョ
「冬樹は…」
「うん」
「ヘラヘラしてるしたまに意地悪だし、計算高いし」
「うん」
バスが発進しているのに気づいた。
こりゃ次のバスまで待たないと…。
「でもなんだかんだで……多分優しいし」
「……うん、それで?」
それで……それで……。
「嫌いじゃない」
「…ということは?」
ということは……私は…。
「冬樹のこと、好き」
「知ってる」
壊れ物でも扱うように、優しく抱きしめ
4度目になるキスをした。
さっきのよりも深く、深く。
気づけば、私の腕は冬樹の背中に回っていた。