お試しカノジョ
最初は大嫌いだった。
男なんて、大嫌いだった。
だからこいつのことも、嫌いだった。
私には歩美だけいればいい。
そうやって作った、私と歩美だけの世界。
でも、そこに侵入してきた。
なんの前触れもなく、土足で入ってきたそいつ。
そして徐々に割り込んでくる。
私の心に、私の世界に。
そうしていつしか心惹かれていた。
本当の本当は待ってたのかもしれない。
歩美だけじゃなく、隣にいてくれる人を。
冬樹が、隣にいてくれることを。
これからもずっと、隣にいてくれることを望みます。
END