お試しカノジョ
「あ、あんたなんてねぇ!男どころか人間とも認識してないんだからね!そのへんの雑草よ!」
「でもその雑草が怖いんでしょ?」
「そんなわけない!ただの拒否反応!」
「ハイハイ」
ムカッ!
なに、なに!?
恐怖症ってあれでしょ?
ビクビクしながら男に怯え、触られる大泣きするアレでしょ?
私がそんなか弱いとでも?
「まあ、仕方ないからそういうことにしておいてあげるよ」
ぷつり
「うおっ!!」
勢いよくヘラ男の胸倉を掴み、壁に叩きつけた。
そして今度は私のほうに引き寄せる。
「馬鹿にするのもいい加減にしろよ」
「けほっ。あれ?恐怖症はどうしたの」
ピキッ。
これでもかと眉間にしわを寄せ、睨みつける。
「おー、怖い」
「ふざけるなよ。見てみろ、嫌すぎて手が震えてるでしょ。おまけに鳥肌まで」
「そーだねー」
男と顔を近づけるなんて失神しそうだが、私のプライドが傷ついた。