お試しカノジョ
帰宅し、風呂から上がってベッドに寝転びながらスマホをいじる。
パズモンに夢中になっていると、なにやらSNSの通知が届いた。
「もう23時だけど…」
誰だろうと思い、開いてみる。
「げっ」
そこには伊藤冬樹という名前で一通届いていた。
既読をつけようか、つけまいか。
悩んだ挙句、既読してやっても良いかと思った。
「なんで返信しなかったの?既読すらついてなかったよ。ねえ、そんなにキスしてほしいの?」
と真顔で言われるのも嫌だったから。
チュー、じゃなくてキスというところがまた本気に見えるし。
「…は?」
ヘラ男からきたメールは、拍子抜けするものだった。
俺のパズモンのIDこれね、登録しといて。
という内容だった。
「…しょーがないな」
仕方ないからパズモンのID検索をし、ふゆきという名前のやつをフレンドに登録した。
「こいつ、リーダーが…」
私はけっこう強い艶姫というキャラをリーダーとしている。
しかしこいつは体力を誇るぴっちょんというモンスター。
愛らしいモンスターで、癒されるとパズモンファンの間では評価されている。
「顔に似合わずだ」