お試しカノジョ

「あたし、冬樹のカノジョだったの」

「へえ」




で?




「昨日の朝メールがきて、フられたの」

「そうですか」

「あんたと付き合ってるから?」

「多分」

「ねえ、もしかして冬樹の本命なの?」

「そうなんじゃないですか」




本命ではない。断言しよう。


奴は、面白い女と付き合いたいとかほざいてたが。


それより、なんで私の方にくるかな。


私、直接的に関係ないし、そういうのはヘラ男の方にいってほしい。


面倒くさいことこの上ない。




「私に文句言いにきたの?」

「は?そんな子供じみたことはしてないし」




さっきから隣にいる女の子は一言も話さないんだな。


じゃあ文句じゃなら、なに。




「冬樹のタイプ、可愛くて胸のでかい女の子だって言ってたんだけどさ」




ふうん、そうなんだ。


でもヘラ男の性格からして、それは多分本当だろう。


あいつ胸でかい人好きそうだし、美人やら美少女やらを手玉にとってそう。


目の前で喋っているこの、なかなかの美少女で巨乳。




「でも見たところ、西本さんに胸があるようには思えないし、顔も特別可愛いわけじゃないよね」

「そうですけど…」




さっきから表情を変えないこの人。


言い方が遠回しでなんか腹立つ。
言いたいことがあるならハッキリ言えよ。


私とは気が合いそうにない。
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