お試しカノジョ
「へえ、いるもんだね。自然体で面白い女の子って」
「バカにしてんの?ていうか早くどっか行って」
「うーん、ねえ」
「はやく散れ」
話を聞く前に言い放った。
しっしと、散れという合図をするがそれすらも無視された。
「俺と付き合ってみない?」
「はぁ!?」
「カノジョになってみない?」
その男は自分を指差して笑顔で言った。
私は呆気にとられるより先に、拒否反応が出た。
「無理、絶対無理。気持ち悪い」
「大丈夫だって。俺カノジョにはすっごい優しいし大事にするよ」
「だからそれがキモいの!うわっ、ほら見てみなさいよ、鳥肌がたったじゃない!」
「......あ、ちょっと傷ついた」
心臓辺りに手を添えて言うこの男。
それすらもゾワゾワっとした。