お試しカノジョ


いつしか彼氏持ちの友達が自慢気に語っていたことがある。


柔らかくて暖かくて、その人の優しさが伝わってくる。


と、頬を染めながら騒いでいた。







だがしかし。











「…ん、もしかしてファーストキスだった?」









目の前で自分の唇をぺろりと舐めながら私の唇を親指で、ふにっと触るこの男。


私は脳が働かなかった。


脳が正常に機能し始めたのは、その少し後だった。











「いっ…ぐっ、なっ…いゃっ……いぎゃああああああああ!!!」

「想像以上の反応だね」


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