お試しカノジョ
「ぺっ!ぺっ!汚い汚い汚い〜〜っ!キモいキモいキモいキモいキモい!!」
「ちょっ、こっちに飛ばさないでよ」
「腐った!!口が腐った、やだぁっ!」
おしぼりで唇をゴシゴシと強く擦り、目から水が出そうだった。
今私、こいつと何した!?
こいつは私に何した!?
わ、わ、わ、私の口に…っ!!
私の唇にヘラ男の汚らしい唇が接触しなかった!?
「ね、もう1回したいなー」
「……このッ」
私はカバンを持って立ち上がり、ミルクティーを勢いよく奴の顔面めがけて投げかけた。
「うわっ!?」
「ふざけないでよ!!」
はぁはぁと息を乱しながら、私は今までにないくらいの怒りが込み上げてきた。