お試しカノジョ
ブスだとでも言いたいの?言えば?笑えば?
彼氏が、できた?
『…夏子、伊藤くんとなんだか忙しそうだったし』
「え、ちょ」
『邪魔するのもなぁ、と思ってたら言い逃してた』
「へ、ま、待って!」
『うん?なに?』
彼氏?彼氏ぃー!?
歩美に彼氏?
そんな…嘘でしょ?
私が今まで頑張ってきたものはなに?
「あっ、相手は!?まままさか」
『……折原くん』
はい、きた折原ぁぁぁー!
なんでっ!
歩美、彼氏になるなんてそんな、って遠慮してたのになんで!?
ベッドからガバッと起き上がって頭に手を当てる。
「嘘でしょ!?」
『嘘じゃないよ。伊藤くんと夏子と折原くんでお弁当を食べた日に告白されて…』
すごく嬉しかったからOKしたんだ、と。
携帯越しからでも伝わる、歩美の嬉しそうな声。
私は鈍器で頭を殴られたような感覚に陥った。