お試しカノジョ
「夏子」
「なに?」
2時間目が終わって歩美が
「そういえば」
と話し始めた。
「お昼一緒に食べられない」
「え!?今日委員会だっけ?」
「うん。委員会の集まりでお昼はそこで食べるから」
「そ、そうなの?」
歩美と食べられないだと…?
ならば私はヘラ男と食べろと!?
「あと、伊藤くんと楓くんも用事あるから、って言ってた」
「へ、へえー!」
てっきりヘラ男と食べるのかと思って焦ってしまった。
別に期待なんかしてなかったけど!
これっぽっちもしてなかったけど!
「本当にごめんね?」
「大丈夫大丈夫!」
昼は私、ぼっちだな。
可哀想な私…。