お試しカノジョ
「…それで、相談ってなに?」
「えっと、ですね」
私の隣でお昼を食べてる委員長。
もじもじしながらチラチラこっちを伺っている。
…なんか、ちょっとだけ歩美に似てる?
「あたし、今好きな人がいるんだけど」
「ふうん」
恋愛絡み?
それを私に相談?
恋バナは仲良い子とするもんでしょ。
わざわざ私に言いに来た理由は?
そんなことを思う辺り、私は結構捻くれていると思う。
ただ単に性格が悪いともいう。
「その男子が、女嫌いで…」
「へえ」
「たくさんアタックしたんだけど、
いつも嫌な顔して逃げられてしまって」
「……」
「あたしのことどう思ってるかもわからないし、もしかして嫌われてるのかな」
なんだろう。
私とヘラ男の男女逆バージョンにしか聞こえない。
「だからっ、男嫌いである夏子さんの意見を聞きたくて…」
私は委員長の顔をじっと見つめる。