お試しカノジョ
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キーンコーンカーンコーン
放課後を知らせる鐘が鳴る。
私は帰る支度をする。
「夏子、わたし今日は楓と帰るから」
「…ん、了解」
くそっ。
歩美に彼氏が出来たから帰りも一緒に帰れなくなった!
内心舌打ちする。
教室を出て、私は少し考える。
私は、認めたくないけどヘラ男が好き
かもしれない。うん、多分。
ヘラ男は私のことが好きと言った。
だったら私がOKすれば全て上手くいく。
けれど、私はそれをあいつに言うつもりはない。
悔しいから。認めたくないから。
男が嫌いと言っておきながら惚れたなんて
みっともないじゃん。
でも……。
はぁ。
ため息を吐きながら靴箱を開けると、
なにか落ちた。