お試しカノジョ
「夏子…。なんかごめん」
「なにが?」
久しぶりに見た。
歩美の申し訳なさそうにしている顔を。
「だって……その…」
言いにくそうにしている歩美を見て、なにかを悟ったのか。
折原が歩美の肩に手を置いて、女顔負けの可愛い笑顔を浮かべた。
「冬樹と夏子ちゃんくっ付けたの、僕たちが頑張ったからなんだよねぇ」
「…は?」
えっへん、と誇らしげにしている折原を無言で見つめる。
「意味か分からないんだけど」
「だからぁ、僕たち3人で夏子ちゃんと冬樹をくっ付けようと色々頑張ったのぉ」
「は、はぁ?3人?」
折原、歩美……ヘラ男?
ますます訳がわからない。
それに、くっ付けようとしたって…
それってまさかやっぱりドッキリ…?
だんだん不安になってきた。
「な、夏子。あのね、わたしが言い出したことだから。2人は協力してくれただけだから」
「協力?なんの?」
「んもう、夏子ちゃん頭悪いなぁ。
だからね____」
カチン。
「楓くん、待って。わたしが話す」
「ん?そう?分かったぁ」
歩美の頭をポンポンと軽く叩いて、額にキスをした折原。
「ちょ、ちょっと!!私の歩美に…」
「夏子」
「…な、なに?」
真剣な顔の歩美も可愛い。
折原は後でシメるとして、歩美の話を聞かないと。
「あのね、実は……本当はね」
ポツリポツリと、私の顔色を伺いながら話し始めた。