お試しカノジョ
楓くんに言われた通り、2組に行った。
扉を開けると楓くんが席に座っていた。
「か、楓くん」
「歩美ちゃん」
おいで、と楓くんの前の席を指した。
椅子を引いてくれて優しい。
「クラスの人、もういないんだ…?」
「ウチのクラスに帰宅部はいないからね。皆もう部活に行ったよぉ」
「楓くんは…?」
「あははっ、僕だけ帰宅部!」
萌え袖した手を口元にもっていって、とても可愛かった。
も、萌える。
「そういえば冬樹はー?」
「うん?」
「夏子ちゃんと帰る、とか言ってたんだけどぉ」
「夏子と帰ったよ」
「やっぱりぃ?あいつは結構ガンガンいくタイプだからねぇ、僕と違って」
クスクス笑う楓くん。
生まれ変わるなら楓くんの女の子バージョンになってみたい。