お試しカノジョ


「だから、これ以上待ってるのも無駄かなと思ってねぇ」

「…」



わたしの頬に手を添えて、愛おしそうな瞳をした。



「好きだよ、歩美ちゃん」

「う…ぁ…」



こ、告白だ。


愛の告白だ。


目を泳がせて楓くんと目が合わないようにする。




「歩美ちゃん、こっち見て。僕を見て」

「………っ!」




そんなこと言われたら、見ないわけにはいかないじゃないか。




「ふふっ、顔真っ赤だねぇ」

「かっ、楓くんのせい…」

「それは嬉しいなぁ」



そう言うと目を細めて、わたしの頬を撫でる。



「っ!!」



くすぐったい。



「歩美ちゃん」

「は、い」

「歩美ちゃん歩美ちゃん」

「はい…っ」



何度もわたしの名前を呼んで頬を撫で続ける。


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