お試しカノジョ
「わたしも……」
「んー?」
もしかして、世の中の女の子は皆こんな気持ちなんだろうか。
告白をするとき、こんな気持ちなんだろうか。
好きなんだけど、恥ずかしすぎて伝えられない。
口の中が渇いて、すぐそこまで言葉が出かかっているのに。
大切なとこなのに、言えない。
「ゆっくりでいいよ、ゆっくりで…」
「ぁ……」
「僕、待つのには慣れたから」
そんな優しそうな笑顔で言われたら、
そんな愛おしそうに見つめられたら
もっともっと恥ずかしくなる。
それでも、わたしは伝えたい。
この気持ちを楓くんに。
「か、えで…くんっ」
「なぁに?」
「わたしっ……そ、の……」
「うん」
「す……き…です」