ブンベツ【完】
カイさんの初めての拒絶が心臓を槍で一突きされた気分だった。
こんな悲しそうな表情を浮かべるカイさんを私は見たことがない。傷ついてるようにも見え、それと同時に悲愴的でもあり、今にでも壊れてしまいそうな彼を、こんなんにするのは…。
「今更何なんだよ…」
この前まではあんなに近かったのに、今でさえ触れられる距離にいるのに、私とカイさんの距離は広い。
何も怖くなかったあの時が遥か昔のように感じてしまう原因をどう処理をすべきか、今となっては判断さえ出来なくなってしまった。
「なァ、ヨシノ」
けどそれ以上に、一番つらいのは。
「何でお前ーーーーーーアイツと結婚したんだ?」
カイさんが傷ついてること。