ブンベツ【完】
7
カイさんとの関係が終わった時、私は確信をしたんだと思う。
カイさん以上に愛しいと思える人に出会えることがないと。
たった18年間しか生きていない分際で何を言ってるのかと大人は思うかもしれない。
これから沢山の人に出会って、話して、わかり合って、という流れを只管繰り返していく中で、惹かれる人は必ず現れると言うだろう。
けど、22歳の今でも記録は更新されないままで。
今となっては独身貴族になってる未来もリアルに感じられるまでに至った。
きっと、いや、絶対。
あの人より惹かれる人なんてこの地球上にいないと確信してる自分にゾッとする。
「最近、お前余裕なくね?」
「まぁ余裕ないのはいつもだけどよ」と更にいらない情報をぶち込んでくるのは紛れもないこの男。
「あの、暇なら帰ってもらってもいいですか?ーーーーーアスカさん」
「暇なわけあるか」
休日のある昼下がり、駅前のカフェで仕事をする私の前に座るこの人に捕まったのは1時間ほど前。
週末片付けられなかった仕事を熟していると、突然目の前に現れた。
真剣にストーカーを疑った。不気味の域まで達するレベルだ。
何をするわけでもなく、私の邪魔をしてくるアスカさんに流石に痺れを切らして冷たく言い放った。