ピッキング・カルテット
瑛太は桑田から目をそらすように、グレーの瞳を伏せた。

「わかってるよ、瑛太が言いたいことは」

桑田が言った。

「俺も、宗助さんの無実を信じてる。

宗助さんがたまたま広場にいたのは、何か理由があってのことだって」

「理由があってもなくても、警察は宗助さんのことを疑っているんだよ!」

瑛太が怒鳴るような口調で桑田に言った。

驚いた顔をしている桑田に、
「悪ィ…つい…」

瑛太は呟くような声で謝った。

「瑛太が感情を露わにするのもわかるよ」

桑田は頭を抱えた。

「ただ1つ言えることは…宗助さんは、無実」

桑田の言葉に、瑛太は首を縦に振ってうなずいた。
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