ピッキング・カルテット
夏々子が驚いたと言うように、大きな目をさらに大きく見開かせる。

瑛太と桑田も彼女と同じ反応をした。

「おい、宗助さんまで雷に打たれたのかよ…」

幽霊を見たような顔をした桑田が呟いた。

「事件が解決するまで断酒だ」

宗助が言った。

「断酒?」

夏々子がその単語を初めて聞いたと言うように聞き返した。

「ある種の願掛けと言った方がいいかも知れない。

炭酸水がまだあっただろ?

しばらくは炭酸水で我慢する」

そう言った宗助に、
「わかった」

夏々子はうなずくと、冷蔵庫から炭酸水を出した。

「じゃ、いただきます」

グラスに注がれた炭酸水に、宗助は口をつけた。
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