ピッキング・カルテット
その場から立ち去ろうとした宗助の肩を、本山はつかんだ。

本山は宗助の顔を覗き込むと、
「もう1度質問する。

さっきのヤツは一体誰なんだ?

ナナコちゃんたちはあいつのことを知っているのか?」

「なっちゃんたちは、関係ないでしょう!」

強い口調で宗助が返したのと同時に、肩をつかんでいた本山の手を振り払った。

「なっちゃんだけじゃない…。

瑛太もヤスも、関係ない…。

俺はむしろ、3人を利用している」

「利用している?

どう言うことなんだよ?」

聞き返した本山に、
「あなたには、関係がないことです」

宗助は逃げるように『福禄寿』の中へ入った。
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