ピッキング・カルテット
その中でも大きく変貌を遂げたのは、夏々子だ。

出会った当時、彼女は8歳だった。

青白い肌と骨と見間違うくらいにガリガリに痩せていた小さな躰は、今でも忘れられない。

それが、今はどうだろう?

身長は150センチまで伸び、新体操と水泳で鍛えられた躰は抜群のボディへと変貌を遂げた。

背中の真ん中まで伸びた黒髪と色白の肌は、まるで日本人形のようだ。

雪の中で埋もれていた小さな少女は、美しい大人の女へと成長した。

彼らの顔を見ていたら、チクリと胸が痛んだ。

それを隠すと、
「――実は、な」

宗助は口を開いた。

「このツアーが終わったら、ベイビー・スターダストを解散させようと思っているんだ」
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