ピッキング・カルテット
「もちろん、あたしたちは犯人じゃないわ」

そう言った夏々子に、
「ああ、無罪だ。

だけど、名刺がそうはいかないだろう…」

宗助は呟くように言って、息を吐いた。

侵入先に黒い名刺を置くのは、ピッキング・カルテットの定番だ。

そこら辺にいる空き巣と一緒にされたら困るからと言う理由で、侵入先の現場に名刺を置くのだ。

今回はそれがアダとなり、自分たちに東サダオ殺害の容疑がかかってしまっている。

「1つだけ確かに言えることは…僕らが侵入した時には、東はすでに何者かによって殺害されていた。

犯人は敵が多過ぎるから誰かはわからないけど、その中にいるはずだ」

宗助が夏々子と瑛太と桑田を見つめた。
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