ピッキング・カルテット
「宗助さん」

名前を呼んだ瑛太に、
「お前たちには、本当に迷惑をかけたな。

僕の身勝手でこんなことに巻き込んじゃって…」

「そんなことないですよ」

宗助の言葉をさえぎるように、瑛太は首を横に振った。

「俺たちは迷惑だなんて思ってません」

そう言った瑛太に、
「ハハ、そうか」

宗助は笑った。

「宗助さん、もう解散はしないんですよね?」

そう聞いた桑田に、
「ああ、解散しないよ。

これからもずっと君たちと一緒に続けて行くつもりだ。

また10年…いや、20年30年…は、足りないかな?

できることなら、一生続けて行きたいと思ってるよ」

宗助が言った。
< 463 / 538 >

この作品をシェア

pagetop