ピッキング・カルテット
宗助は一同を見すえると、
「僕らが犯人を捜し出す」

テナーの渋い声が、社長室に響いた。

「――はっ?」
と、桑田。

「宗助さん、とうとうイかれちまったか…」
と、瑛太。

宗助の口から出た言葉に、瑛太と桑田は絶望したと言うように頭を抱えた。

「それが1番、手っ取り早いかも知れない」

そう言ったのは、夏々子だった。

「ノブオの言う通り、あたしたちに容疑がかけられた以上、あたしたちが犯人を捜し出すしか方法がないと思う。

とにかく、ピッキング・カルテットの容疑を晴らすためにも、あたしたちが犯人を捜し出さなきゃ!」

夏々子は宣言するように、瑛太と桑田に言い聞かせた。

「でもどうやって捜し出すんだよ!?

敵は芸能界だけじゃなくて、外にもたくさんいるかも知れないんだぞ!?

そんなたくさんの中から、どうやって犯人を捜し出すんだよ!?」

桑田は頭痛がすると言うように指先でこめかみを押さえた。
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