ピッキング・カルテット
その翌日、4人はお昼を食べに『福禄寿』にきていた。

「ひどい話だわ!」

ミックスフライ定食を頼んだ夏々子は憤慨していた。

「最低最悪どころの問題じゃないね」

きつねうどんをすすりながら瑛太が言った。

「たたけばたたくほど真っ黒なほこりが出てきそうだな、おい」

カツ丼を食べながら毒づいたのは桑田である。

「“あいつ”しか言っていなかったところを見ると、田村さんは相当なまでに東に恨みを抱いていたみたいだよ」

サバ味噌定食を食べながら宗助は言った。

「とりあえず、容疑者はマネージャーだった田村といじめられて引退に追い込まれたブルータスって言うヤツか…」

桑田はうんうんと首を縦に振ってうなずくと、カツ丼を口にかきこんだ。
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