呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「呪われればそれで終わり…
最後には、邪気を食う化け物になる...」

ちょうど横にある椅子に腰掛け、一人そんなことを呟く。

教えない方がいいんだろう。

知らない方がいいことだってある。

呪いとは本来この世に存在してはならないわけで…

きっと私は、この世から消えてもずっと苦しみ続けるんだろう。

ずっとずっと…

幸せになれることはないんだろう。

「麗奈と一緒にいた、あの時が一番幸せだった…」

親に蔑まれ、私に頼ってきた麗奈。

友達にそそのかれ、軽い気持ちで依頼してしまった汰一…

そもそも、意地なんてはらずに初めから私が消えていればよかったんだ。

自分一人の苦しみと、たくさんの人たちの犠牲…

どちらも嫌だった。

でも、自分が苦しむことが何よりも怖かった。

「どちらにしよ、もう…」

噂も回りに回り、依頼者も減った。

あとはあの2人だけで…

あとは皆、死んでしまった。

事の重大さに気づき…

自ら命を命を絶ってしまった…

呪いの対象は…

もうとっくに皆…

「やめよう」

こんなことを考えていてもしかたがないと思った。
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