呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
儚げに、夢のように…
「麗奈…大丈夫かよ…」
ヒックヒックとしゃくりあげ、涙をボロボロと流す麗奈に、思わず手を回す。
手を回された肩に麗奈も手をやると、静かにすがるように握ってきた。
「お姉ちゃん…
いつも嘘つきすぎなんだって!」
悔しそうに唇を噛み締めてそう言われるも、俺はなんて返したらいいかわからない。
「それももうすぐ終わるって…
麗薇がそんなようなこと言ってたじゃないか」
「それだって嘘かもしれないじゃない!
お姉ちゃん、きっとずっと嘘つきだったんだよ!
…人を…苦しめない…優しい嘘…」
たしかにそうだと思った。
麗薇は、きっと優しい人間だ。
人間…?
うん、人間。
俺らと何も変わらなかった。
愛する者を守りたいという気持ちだってなんだって、何もかわらなかった。
なのにどうして…
生きているかそうでないかという、乗り越えられそうで乗り越えられない大きな壁が俺らを阻む…
「本当に麗薇が自殺したって信じ切ってたのか?」
「そうにきまってるじゃない!
だって…いじめられてたって…
それで屋上から落ちたなんていったら…普通に…」
言葉を濁す麗奈。
普通に自殺だと思う。
俺だってそう思はずだ。