呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「お…お、おかげで悲しさなんて忘れちゃったよ!
涙もどっか…行っちゃ…」
「…ほんとごめん…」
ほんと、何やってんだ俺。
弱ってるところにつけ込むかようなこの行動…
男としてほんとない。
「ごめん…」
なんとかしようと一生懸命になっている麗奈に、心から謝る。
「謝らないでよ!
ならこうすればいいから!」
不意に左腕を引かれ、向き合ったかと思うと、麗奈は背伸びをして俺の首に手を絡めてきた。
「お…おいっ!」
気づいたら、目を開けたまま麗奈の唇が、俺の唇に重なっていた。
「ん…っわ」
慌てて我に返り、麗奈の両肩をつかんで引き離す。
「きっ…キスはそんな気軽にするもんじゃねぇって!」
こんなことしたのなんて、初めてで。
こんな恥ずかしいことされたのだって、初めてだった。