呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「だって…」
完全に向き合った俺に視線を合わせようとはせず、微妙に目をそらしながら言い訳がましく言う麗奈。
「だって、汰一くんがこんなことしてきたんじゃん…
それだったら…ちょっとくらい付き合ってよ。
途方にくれてる時くらいいいじゃない…」
麗奈の気持ちもわかる気がした。
でも…
「ダメだって。
麗奈はちゃんと、こういうことは好きな人としないと」
「じゃぁ、汰一くんのことが好きだって言ったら?」
思わずひっくり返りそうになった。
なんだって?
俺のことが好き…?
「ないだろ。
冗談よせよ」
今まで封印してきたある気持ちが、解き放たれそうになる。
「冗談じゃないよ…
好きじゃなかったら毎朝ロッカーのところで話し込んだりしない。
自分から挨拶だってしない。
いい加減気づいてよ…」
「気づいてたまるかっての!」
本気で、ふざけてるんだと思った。
あわあわしている俺をからかっているんだと思った。
でも…
麗奈はどうやら違うようだ。