呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「ちょ…
もう、着くから」
麗奈の家の前まで来る。
なんだか、とてつもなく長かった気がした。
「こんな中途半端なとこで話終わらせるの?」
「中途半端ったって…
もう…話すことねぇし…」
正直、逃げ帰りたかった。
麗奈に自分の本当の気持ちを悟られぬうちに。
「まだ終わってないよ。
汰一くんは私のことどう思ってるの?」
少し、考えた。
麗奈のこと…?
「唐突すぎんだよ…
どっちにしろ、別に付き合いたいとかじゃないんだろ?
単に2人で今協力してるから少しそんな気持ちになっただけだろ?」
そうであってほしい。
そんな気持ちを込めて。
でも、違かった。
麗奈の目は、俺がそう言った途端落胆の色に染められた。
「わりぃ…ほんとに…
麗奈のこと…
好きじゃないわけじゃないけど…
正直、付き合うとかは考えらんないっていうか…」
俺が、麗奈にキスしたのは、きっと…
きっと…
認めたくないこの気持ちがあるからだ。
俺は…
麗奈に、麗奈としての姿を見ているんじゃなく…
麗薇の面影を感じ取ってそういう行動をしただけにすぎないんだろうから。