呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
床に尻をつき人差し指でそのあってほしくない現実を指差して口をぱくぱくとする。
情けないなんて考えてる余裕はなかった。
「いい加減慣れてください。
…私に」
そこ、登場のしかたにじゃないのか!
麗薇に慣れろってことなのか!
「と、とっくに慣れてるよ!」
か細く震えた声でなんとか言いきる。
幽霊に突っ込みを入れるなんて…
俺もずいぶんと図太くなった。
「そんなことくらいわかっています。
っていうか、ちゃんと私が麗薇だってわかるんですね」
「今から来るって言ったのそっちだろー!
敬語だし、それになんとなく雰囲気からしてわかるよ…
突然現れるし…」
雰囲気からしてわかるようになったのは、ついさっきごろからな気もする。
でも今はそんなこと気にしている場合じゃない…
「なんで来たんだよ」
やっとの思いで、ちゅうぶらりんな精神を落ち着けるためにベッドに腰掛ける。
「ってか麗薇も座れよ…」
遠慮がちにチラっと見ると、素直にこくんと頷いて、隣に座ってくれた。