呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
気配もしっかりしている。
どこかが透けているわけでもない。
息遣いだって感じるし、なんとなく体温があるのもわかる。
…普通の人間と変わらない…
ジロジロと見ているのには気づかなかったのか、麗薇はいつもと変わらない様子で口を開く。
「さっきメールで言ったでしょう?
今から向かうって」
さも当たり前のような、そして小馬鹿にするような口調で言う麗薇。
「いや…
はやすぎるって…
しかも何、もうあの男のとこ行ってきたの」
「その帰りです」
男の話題を出すととたんに目が険しくなったのは見逃せなかった。
「あの人誰なわけ?
ってかなんていう名前なの?」
気を悪くされてもいい。
こんな状況に陥ってしまった今、わからないことは聞くのみだ。