呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「…黒田っていいましてね…
あんな姿していますが、普通に人間ですよ」

きっとあの人間離れした整った容姿のことを言っているんだろう。

あの整い方は、人間とは思えない。

「整形したとか?」

「いいえ、極普通の人間です。
性格の悪さは普通なんかじゃありませんが」

こいつも、たまに冗談なのかなんなのかわかんないことを言ってくる。

「そんなに性格悪いわけ?」

「健全に生きている者を突き落として死なせるなんて殺人者が、いい人だって言えますか?」

冷ややかな目。

それでいて変わらない、人をバカにするような空気…

なんとも腹が立つ。

「んなのわかってるよ!
でも…その…
俺らの声とか聞こえねぇみたいだし、見えねぇみたいな…
こう…実感ないんだよな」

体感しないとどうも身に沁みないのだ。

かと言って、喉元過ぎれば熱さを忘れるってのも否定できない。
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