呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「会いたいんですか?」

「黒田に?」

聞き返すと、えぇ、と頷く麗薇。

「…正直言うと…そうかも」

「麗奈を放って、それよりも黒田に会いたいって言うんですか?」

「え…」

刺すような麗薇の視線が、俺の心臓を縮み上がらせる。

顔は似てると言えども、性格とか作り出す空気感、雰囲気が全く違う。

「なんで…知ってるんだよ…」

言った瞬間、しまったと思った。

別に麗薇は麗奈が俺に告ってきたことを知ってるなんて言ったわけじゃない。

「ま、いいんじゃないんですか。
キスまでしといてそんな態度…
私ならとっくに呪い殺してますけどね」

そう言って、ふてぶてしく笑う。

「知ってんのかよ…
ってか、呪いじゃ殺せないんだろ。
それに勝手に呪いかけちゃいけないんだろ」

うまく使えば、約束事だって俺の守り神になりうる。

そう、頭を使って、うまくやればいいんだ…

そんなことを考えて優越感に浸っていると、

「ま、実は呪い殺せないこともないかもしれないんですよ」

そんなことを言ってくる。

その言葉に、サッと血の気が引いていくのを感じる。
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