呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「でももしそれをやる時は…
私も死にますね。
ま、どうでもいいです」
「いや…どうでもよくないだろ…」
一気に冷たくなった指先で、なんとか頭をポリポリとかく。
実は、呪い殺せる…?
でも、その時は麗薇も一緒に死んでしまう…?
また、新たな疑問が生まれる。
「それより、裏山 雄介。
どんな様子でした?」
疑問を解消しようと口を開くも、それは麗薇の言葉によってかき消されてしまった。
まぁ、後で聞けばいい。
「別に…
なんか、麗奈が邪気がどうとか言ってたぞ」
俺には見えなかった。
いや、きっと見えてなかっただけだ。
あんな気味悪いものを目にして、冷静でいろっていう方が難しい。
「邪気ですか…」
それはやはり、麗薇の邪気なんだろうか。
さっき呪い屋の事務所に行った時、麗薇の体には黒く蛇のようなものが巻きついていた。
それがきっと…
「このようなものが見えたっていうことですか?」
頭の中で思い起こしていると、突然目の前にそれが出てくる。
「うわっ!」
「これが邪気ですよ」
微妙に顔をしかめながらも、手を差し出してくる麗薇。
その手の上には…
たしかに蛇と瓜二つな黒いものがのっかっていた。