呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「なんだよそれ...
ってかうわっ!近づけんなよ!」
俺のビビリぶりが面白かったのか、クスクスと笑いながら黒い蛇を近づけてくる。
麗奈とは違う、何か大人の魅力を感じる...
「これが、麗奈には見えたんでしょうね...
藤堂さんも見えているんでしょう?
それなら、その時は気が動転していただけですよ」
落ち着いた大人っぽさはそのまま、でも優しく柔らかく笑ってくれている。
「...それ、しまえって」
なんて言ったらいいかわからなくて、なんとなくそう言った。
「言われなくてもしまいますよ。
これ、こうやって出すだけでもだいぶ苦しいんです。
ま、今日の苦しみっぷりを見たらわかるでしょうけど」
ポンッと何事もなかったかのように、麗薇の手から蛇が消える。
そして、ふぅっと息をはいた。