呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「さ、裏山 雄介のことも聞けたことですし、そろそろ帰りますかね」
「ちょ...待てよ!」
立ち上がろうと腰を浮かせた麗薇の腕を引っ張って、無理やり座らせる。
「まだ...
話したいことがある」
本当のことは言えないけれど。
時間稼ぎみたいなことしかできないけれど。
でも、とにかく、いつかは聞かなきゃいけないことだってたくさんある。
「なんです?
まだ私といたいっていうんですか?」
「…からかうんじゃねぇよ。
ま、否定できないけど」
すると麗薇は驚いたような顔をした。
「そっちこそ、そういう冗談はやめてください」
幽霊だからって、自分に存在価値がないとでも思っているんだろうか。
自分は、普通の人間と同じように生きてはいけないとでも思っているんだろうか。