呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「ま、いいじゃないですか。
私そろそろ疲れましたよ…
いい加減帰らせてください」
なんだその、俺が帰らないでくれって頼んでいるかのような言い方は。
でも…
「まだ聞きたいことあるって」
そう、引き止める。
「俺らを呪い殺すことはできるってさっき言ったじゃんか」
すると麗薇は静かに頷く。
「俺らを呪い殺すとしたら麗薇も死ぬって…どういうことだ?」
ある程度、勇気を出して聞いたつもりだった。
でも、麗薇はまた、バカにするような冷たい視線を俺に向け、それから呆れたように首をふる。
「…忘れましたか?
約束事」
「約束事…?」
必死に内容を思い出そうとする。
もしかして…
一番最後の内容だろうか。
「呪い屋は自らの意思で呪いをかけてはならない…?」
「そういうことです」
「いや…だから、それの意味がわかんねぇんだって…」
麗薇は初めて会った時よりもずっと親しげになった気がする。
そのせいで、なんとなくフレンドリーにいってしまう自分がいた。