呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「なんでだよ...」
真夏の太陽はいつの間にか弱まり、俺にちょうどいいくらいに光を注いでくれる。
教室は、もう苦痛でしかなかった。
というか、学校の中にいるだけでストレスだ。
もう何もかも終わった。
そんな気がして。
血塗れで帰ってきてるわけでもないのに、家族には避けられる。
何をしているわけでもない。
単に、あの日、帰らなかっただけじゃないか。
別に...なにも...
「う...ゲホッゲホ...」
家族だけじゃない。
体も、明らかにおかしかった。
時々くる吐き気や咳。
特に何も食べたいと思わないし、食べなくても異常は感じない。
「なんなんだよ...」
まるで、教室では見えてないかのように接され、自分が話しかけるとハッとしたように俺に気づく。
麗奈と言いあっている時だけだ、俺の存在がみんなに示せるのは。
最近はクラスの奴らに話しかけても、シカトされることだって珍しくない。
だから、学校を抜け出しても平気なんだと気づいた。
先生に怒られることもない。
授業中に当てられることもない。
まるで...
俺の存在が消えていくかのように。