呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
そして、学校を早くから抜け出して麗薇の事務所まで行くのが日課になっていた。
1ヶ月ほど前まではそこまで気にしなくて。
1週間に一度ほど行ったものの、いなくても大して気に留めなかった。
でも...
もう2ヶ月もたつ。
俺の部屋に来て、平和に話していたあの時から、2ヶ月たつんだ。
なのに...
毎日行っても、あのドアは鍵がかかったままだ。
「...ぅぇ...
ゴホッ、ゴホッゴホ...」
日に日に酷くなる倦怠感。
病院に行った方がいいのか迷った。
でも...
もし、病院で呪いとしての異常があることがバレたらどうする。
呪いのせいで体が大きく変化している可能性だってあるんだ。
そこを突かれたら...
もう、どうとも言えない。
それこそ、姿を消すしかなくなる。
「麗薇...」
日に日に軽くなっていく教科書の入っていないリュック。
もはや飲み物くらいしか入っていない、カタチだけのリュックだ。