呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
麗薇に会いたい。
そんな想いが日々募る。
麗奈の俺に対しての反応は変わらないものの、ああやって冷たくされると辛い。
俺も俺で、愛想が尽きた。
なんなんだ、この2ヶ月間での急激な変化は。
何が起こってるんだ。
何が普通で、何が異常なんだ。
前までの感覚が鈍り、もう何もかもどうでもよくなって。
よく...わからなくなってきた。
最後に麗薇と話した時の、あの暖かさが忘れられない...
だから、俺はまた麗薇のところに行こうと思うんだ。
もう、麗薇しかいないと思った。
なのに...会えない。
フラフラと歩き、電車に乗ったりしていふるうちに、いつの間にかついてしまった呪い屋の事務所。
というより、ごく普通のアパートだ。
緊張と期待を込めて、ドアノブを握る。
途端に、俺がかける力と同じ力が、ドアの向こう側からかかったのがわかる。
「麗薇...か?」
一気に明るくなった表情を隠そうともせず、高鳴る鼓動とともに、ドアを引く。
でも...
「くろ...だ...」
開けられたドアの向こう側に立っていたのは、あの異常なほどに整った顔を持つ男だった。