呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
黒い謎
ドサッと音がし、投げ捨てられるように転がった自分の体。
「お、おぉ…」
すると、自分の体が動くことに気がつき、感動した。
でも、そんな場合じゃない。
なにしろ…
変なところに連れて来られてしまったのだから。
「やー、どうだい?
気分は」
まるで、見えるかのように俺に問いかけてくる黒田。
いや…
もしかして…
「お前、見えてるのか…?」
恐る恐る聞くと、やはり男はニヤッと笑った。
「見えてるとも。
ま、ここにこないと無理なんだけどねぇ…」
あいかわらず引っぺがしたくなるような笑顔は絶やさないまま、俺に歩み寄ってくる。
「ま、そろそろ…だよねぇ…」
「は?」
気持ち悪いくらいすらっと長く綺麗に伸びた指で、俺の顎を舐めるかのように触ってくる。
「やめろよ!」
反射的に身を引こうと思った。
でも…
「う…ゔぁ…」
なぜか、体は操られるかのように固定され、引くことができない。
呻いて必死に引こうとするものの、それは叶わず、思う存分顎を撫でられた。
こいつはなんなんだ。
ホモか。