呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「ホモじゃないからねー?」
心の声を読まれたかのように、ふてぶてしく笑いながら言う黒田。
「俺ね、ちょっと特殊なのわかる?」
パッと手を離し、床に投げ捨てられた手袋をはめる。
「この手で、何もかも自由自在なんだよね、ハハ…」
あまり興味なさそうに無表情のまま言われる。
麗薇の言うとおり、超能力者ってことか。
でも…
やっぱり、なんなんだこの男は。
しかも、なんだ、この場所は。
何もない。
完全に、無の空間。
その表現が正しい。
「何か喋ったら?」
急に尖った声と視線に変わった男。
それに異常を感じ、すぐさまピッと姿勢を正す。
何を話したらいいかわからないんだ。
さっきまで見えないかのように接せられてた俺。
いや、あの態度じゃぁ実際に見えてなかったんだろうけど。
でも、今はこうやって話している。
ほんと、何がどうなってるんだ…