呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「どういうことだよ」
刻々とタイムリミットは迫ってきている。
それがわかるから、余裕を見せる黒田に焦る。
焦るな俺。
落ち着いてなんとかこの場をやりすごすんだ…
やはり黒田はそんな俺の気持ちを見透かしているようで、ますますゆったりとした表情と間を取る。
「ま、わかんなくていいよ。
それわかったら悪用されたり…って面倒だからね」
悪用?
俺が何を悪用できる?
「とりあえず、もう君は人間じゃない。
それはわかってるんだろう?
もう、食べ物だってあんまり取らなくても問題ないし、吐き気だって、咳だって…
そうじゃないのかい?」
そんな黒田の言葉に、俺の心臓が変に飛び跳ねる。
…図星なんだ。
2日もろくに食べてなくても、お腹は空かない。
好きな時に、食べたいものを食べる。
それで、十分間に合う…
「それは…」
どういうことなんだよ、と聞こうとしたその時。
「た…いち…さん…」
今にも消えそうな、苦しそうな声が、黒い何もない部屋にか細く響く。