呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「麗薇!」

やっと会えた。

そんな喜びに浸っている場合じゃない…

「それ…」

思わずうぅっと声にもならない声をあげる俺。

もう、麗薇は…

「邪気まみれ…っていうか…
それ…なんだよ…」

背中から何か真っ黒い物体がもやもやと出て、それが腹の方まで巻きついている。

まるで、麗奈とは真逆に、地味な黒い洋服をまとっているかのように…

「嘘だろ…」

言葉にもならない悲痛な感情が、俺の中でぐるぐると回る。

なんでだよ。

なんで麗薇がこんな目に合ってるんだよ。

「そいつに…騙されまして…ね…
あと、こいつにも…」

苦し紛れに、微妙に笑った麗薇。

その指がさすのは、黒田と…

やはり、麗薇を抱きかかえるそいつ。
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