呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「汰一くんは、麗薇お姉ちゃんと一緒に行きなよ。
私が少しだけ黒田を食い止めてあげる…
そしてから、私も…」

そう。

きっと、麗奈が

私も行くから

そう言おうとしたその時…

シュバッ

と、ものすごく素早く、鋭いものが俺のすぐ横を通過した。

「え…?」

それとともに、俺に降りかかった赤い雨。

「嘘だろ…
今度こそ、嘘であってくれよ…」

それが刺さったのは、麗奈。

そして、刺したのは…

「黒田…お前…」

そう、こいつだ。

もはや怒りと絶望しかない。

「いやー、間に合ってよかった。
まさか腹パン食らうなんて思わなくてね…
あんな強烈なのまともに食らったらどうかなるよね…
殺す気でかかったでしょ?」

ハッと軽く笑う黒田。

「だからって…」

「そう、俺も殺す気でかかった。
ただそれだけじゃないか…
もはや人間じゃないものが、醜い…」

人間じゃないからって、こういう扱いを受けるのか。

人間じゃないからって、殺されてもいいのか。
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